オフィスで会話している男女
前回に引き続き、“スタッフを辞めさせない叱り方、接し方”をお話したいと思います。

人格を持った”人間同士”が集まっている

学校の先生、いわゆる”教えるプロ”ですら、教育大学という4年の勉強や実習を経て、初めて”教員免許”を取得し、そこから人にものを教える、指導する現場に立つことが許されるのです。

一方私達は、例えば物流倉庫の現場監督だったり、工場でのライン担当の主任…といった主に”物流”や”製造”のプロであって、”教育のプロ”ではありません、“教える事には素人”なのです。

こういう方が自分の思い込みや我流で他人を教育してゆけば、何かしらの”人間関係の摩擦”が生じるのは必然だったりするのです…。

このように、仕事等の動き方、作業の手順について特定のスタッフと口論になったりぶつかったりする…ということは避けられないかもしれませんが、こういう時のポイントとして「あれもダメ、これもダメ、全て自分の言う通りに動くのだ」というスタンスで否定ばかりし続けるのはあまりオススメ出来ません。

従業員にフラストレーションを与えてしまい、スタッフ側がそういった上の態度に見切りをつけ、数か月で退職…そこからまた求人を出し、新人を育て直しと、“人件費での損害”を出し続ける結果になります。

これは、また雇い主であるあなたがそれを行っていなくても、職場の中でいわゆる“古株、お局様”と呼ばれる長く続けている人の中には自分より後に入ってきたスタッフに上であげたような“過剰な指導や作業注意”を好んで行い、そこから原因で後から入ってくる新人がその人間関係に耐えられず辞めていく…というパターンもあったりします。

そこで、職場内で”人事や指導係”を担当させるスタッフは、あらかじめきちんと選んでおいた方が良いかもしれません。

この様に、従業員だって心を持った1人の人間なのです。

その事を忘れ、「お金を払っているからこいつは俺の手駒だ」または「自分の考えが正しいに決まっているのだから、スタッフの間違いを正してやろう、変えてやろう」というやり方よりも、いかに今協力してくれているスタッフの皆が、半年後1年後もこの職場で頑張っていこうという気持ちになれるか…?
と相手の気持ちを汲み取って、職場のリーダーとして導いていくという方法がいいのかもしれません。

例えば経営者のあなたが面接をする場合も、どんなに実務経験や資格が豊富でも「この人めんどくさそうだな…」「偉そうで反抗的な人だな」と思ったらその人の採用は何となく見送りますよね…?それと同じで、従業員も上司や雇い主の”人柄”を見ているのです。

今のご時世、組織のリーダーや雇い主だって“人間性”を求められる時代になったのかもしれませんね…。