怒る人と謝る人
前回に引き続き、せっかく“雇ったスタッフを早期に辞めさせない”接し方、を元にお話ししたいと思います。

人は”思想や行動”を否定され続けると離れていく

よくある例として、つい雇っている従業員に「今日は強く言い過ぎてしまったな、ちょっときつく言い過ぎだな…」と家に帰ってから後悔するという上司や雇い主の話をたまに聞くことがあります。

そういう時のためにも事前に“叱るときに一定のルール”を決めておくというのはおすすめな訳です。

そのルールを決めるための基盤として、スタッフや職場環境の”どういう状態が理想的なのか、どう変えていきたいのか”というビジョンをちゃんと考えておくことだと思います。
“否定や叱責ばかり”ではスタッフは育ちません。

例えば、前回お話した頼んでもいない仕事をやっていた代わりに本当にやって欲しかった仕事を時間内に間に合わなかった、という場合に、ただ一方的に「Cをやれ、なぜDをやったんだ、ダメじゃないか!!」という否定から入る形ではなく、ABCという仕事を時間内で一番やってほしかった、そのためにはどういう動きをするのが一番理想的かと“代替え案”も出してあげることです。

そうすることで従業員の方も明日からの作業の動き方の道しるべになりますし、どちらが正しくて間違っているか、という事では無く”ただ頭ごなしに自分が取った行動を否定される”だけでは「この人は何となく今日自分が動いたことに不服があるのは分かるが結局、私をどう変えて行きたいんだ…?」というビジョンが見えてこないと思われます。

最悪な場合、従業員から「この人はただ機嫌が悪い、自分は何となく嫌われているだけなのだ」という解釈しかされず、そこから普段関係までギクシャクし、こういったフラストレーションをもとに居心地が悪くなり、やがては”退職していく”という最悪のパターンになるケースまであります。

「じゃあ具体的にどうすればいいんだ!!」
…と、こう思われている方も居ると思います。

おすすめの方法としては、”部下 叱り方”といったものでネットで検索するだけでもかなり参考になるようなブログやサイトが出てきますので、まずはそういったものを真似して部下の指導方法の参考にしてみる、という方法もいいかもしれません。

また、誰かを叱る基準として、「そのミスは取り返しがつくか」…という判断で”叱るか、叱らないか”を選んでも良いと思います。

従業員に何かしら「物申し」たくなった時、そのスタッフや職場環境の未来を冷静に予想してみる…そんなイメージです。
このままこの先も同じ行動を続けられたら明白に自社の損害や深刻な悪影響になる、と言う場合にはあらかじめ決めておいたルールを守ってスタッフを注意する、というやり方です。

「正しいことばかり言う人は嫌われる」という人間関係での心理にあるようで、スタッフに間違いを指摘する注意をするというのはいくらこちらが正当な意見だったとしても、何かしら言われた従業員側にフラストレーションを与えてしまう…ということは忘れないようにしておきましょう。